東アジア日本研究者協議会について

本大会は、東アジアを中心とした多様な国家・地域・エスニシティの研究者に、分野を超えた日本研究に関する成果を発表・議論する場を提供し、日本研究と日本研究者の国際的交流の発展に寄与することを目的としています。

本大会の計画は直接的には2年前に端を発しますが、より長期的な背景としては、21世紀を迎えてから新たな局面に入った東アジアにおける日本研究の展開があげられます。世紀転換期より、東アジア各国では人文・社会科学の諸分野で日本に関する研究が蓄積されてきました。しかしながら、国境をまたぎ学問分野を越境するような日本研究は、むしろ欧米で盛んに行われ、東アジアでは必ずしも発展してきたとは言い難い状況にあります。その背景としてはまず、日本による東アジア地域での植民地領有・戦争そして冷戦という歴史的文脈があげられるでしょう。実質的に東アジアにおける人的、そして学術交流が拡大に向かいはじめるのは1990年代以降ですが、その後も東アジアにおける歴史認識や政治体制の違いからもたらされる対立と軋轢は、日本研究者の自由な交流を制約してきました。また同時に、東アジア各国で自国内に巨大な日本研究者集団が形成されたことは、各国の研究者が国境を越えた研究交流の必要性を意識することを妨げてきた側面もあります。

しかし、東アジアに拠点を置く日本研究者が上述の北米や欧州での学会に参加を重ねていくことで、研究者の間には、東アジアにおいても同様にトランスナショナルかつ学際的な日本研究を日本語で行う場を構築する必要があるという認識が生まれはじめました。東アジアの日本研究者が、上述の学会で使用されている英語よりも日本語により精通しているため、欧米とは別個の学問的議論の場を求めるようになった背景もあげられます。しかし、東アジアで日本研究者が一堂に会する意義はそれだけにとどまりません。まず、日本研究の質的な向上が期待されるでしょう。例えば、人文科学と社会科学との間の融合的研究は限られており、そのことが日本研究の発展を阻害してきましたが本大会での国境・分野を超えた交流を通じて、既存の学問的蓄積を活かしつつも、新たな学際的研究の基盤形成が期待されます。第二に、自国中心の日本研究から脱した、より多様な観点からの日本研究の場は東アジアの安定と平和に寄与すると考えます。国益の追求という現実と、相手に対する客観的な理解を調和させ、研究者としてより安定的な東アジアの関係形成に貢献しうるでしょう。

以上のような理由から、東アジアにおける有志の日本研究者40人余りが2010年より6回にわたり「東アジア日本研究フォーラム」という名のもと、国際的・学際的な研究会を開催してきました。その長期にわたる経験を基にして2016年、東アジアを拠点とする12人の日本研究者を運営委員会とする「東アジア日本研究者協議会」が設立されました。同協議会のもと、2016年は韓国、2017年は中国で国際学術大会を開催し、300人にのぼる参加者が研究発表と討論を行いました。3回目である今年の大会は京都で開催されます。日本での開催により、日本に拠点を置く研究者の参加をより一層促し、「東アジア日本研究フォーラム」から受け継がれてきた東アジア全体での日本研究の発展を目指します。また、次世代研究者の育成を通じた東アジアでの日本研究の長期的な発展を期し、これまでの2回の大会同様、大学院生や若手研究者の発表を積極的に支援したいと考えています。

(国際日本文化研究センター・第3回東アジア日本研究者協議会国際学術大会実行委員会)

発起人

東アジア日本研究者協議会を立ち上げるため、その間協議を重ねてきた下記の5名を発起人としています。

  • 徐一平 (北京外国語大学教授)
  • 小松和彦 (国際日本文化研究センター長)
  • 徐興慶 (中国文化大学外国語文学院 日本語文学系院長)
  • 李康民 (漢陽大学校 日本学国際比較研究所長)
  • 朴喆熙 (ソウル大学校 国際大学院院長) 

運営委員会

東アジア日本研究者協議会の様々な案件や行事を企画・決定する執行部として運営委員会を設けています。運営委員会は東アジアの日本研究関連の団体や機関で構成し、次期国際学術会議関連の諸事項(開催地、執行機関など)を決定します。

 

共催・助成について

この大会は、以下の共催と助成により運営されています。

共催:独立行政法人 国際交流基金 (The Japan Foundation)
助成: